ここ20年くらい、国内旅行で新たな旅のモデルとして広まったのは、エコツアーと歴史遺産巡りです。
エコツアーは、日常にない珍しい自然や野生動物を観察する旅だけでなく、農作業など体験を通じて自然保全の理解を深めるといった、地域ごとに多彩なプログラムが企画されています。
自然の多い地域を中心に実施する業者が増えたことで地域的な組織が設立され、推進を明確にした自治体や課外授業に取り入れる学校もあります。体験していないが知っている人は2人に1人で、その半数がエコツアーを体験してみたいと関心を示しており、今後も拡大する傾向にあります。
歴史遺産巡りは、温泉やレジャー施設を楽しむ定番の旅と、同等の人気になっています。さらに理解を深めたく、寺社仏閣や歴史的建造物を実際に訪れることで、忘れ去られることなく観光資源として知れ渡り、街並みの保全や地域活性化につながっていきます。
エコツアーはガイダンスの質と参加者の自然に対する意識付けが求められますが、歴史遺産巡りは、パッケージツアーを企画する業者を利用するだけでなく、旅行者自身が計画を立て、訪れた土地の人達とふれあいながらでも旅行ができます。
住んでいる環境や文化が違う人同士が関わるのはお互いの刺激にもなるので、おすすめなのです。住んでいる地域とは違う土地に行くと食べ物や自然も当然違います。
同じ国内だとしても、少し言葉も違ったりします。そういう部分からもさまざまな刺激を受けることができるのです。国内旅行は、温泉、ゴルフ場やテーマパークに家族揃って出かけるモデルが定着しています。
しかし、交通網が整備されたことで全国的に相次いだリゾート開発も経済状況により低迷し不信が続いています。エコツアーや歴史遺産巡りは、経済状況の変化をきっかけに国内旅行の楽しみ方も変わってきたといえます。